お尻の筋肉編2です!

この二つは足を横に広げる動作(股関節外転動作)に強力な筋肉です!

【基礎】

☆中殿筋

起始:腸骨翼の外面で前及び後殿筋線の間、腸骨稜外唇および殿筋筋膜(広い)

走行:筋腹は厚い三角形をなして下方に向かう。扇状に集まって腱をつくり大転子の先端を覆う

停止:大転子の外側面

神経:上殿神経(L4~S1)

作用:股関節の外転、屈曲・内旋(前部線維)、伸展・外旋(後部線維)

☆小殿筋

起始:腸骨翼の外面で前および下殿筋線の間(広い)

走行:全体として三角形の筋で中殿筋に覆われ、筋束は集まって下外方に向かう

停止:大転子の前面

神経:上殿神経(L4~S1)

作用:股関節の外転、屈曲、内旋


【特徴】

☆中殿筋

横から見ると大腿骨頭(太ももの付け根のこと)を前後に覆っているので前方線維、後方線維に区分されていて、全く別の動きをします。

・前方線維は屈曲・内旋

・後方線維は伸展・外旋

有名なのはトレンデレンブルグ歩行

・歩くとき中殿筋麻痺側で片足立ちになったときに反対側の骨盤が下がってしまうこと

・中殿筋の力が入らないので骨盤を支えることができない

・普段通りの歩くスピードだとトレンデレンブルグ歩行がになるのに、早歩きすると股関節を支持する時間が減るので横揺れが減るのであたかも正しく歩けるように見えるようになるのも特徴の一つ

デュシャンヌ歩行

・代償運動のようなもので骨盤を水平に保つために身体を横に倒して歩くこと

・無理に体を曲げているので腰痛の原因になることもある

論文を拝見し、なるほどーと思ったこと。

中殿筋の活動を一時ストップするように注射をして中殿筋が使えない状況で歩かせたら、というもの。

人間というのは歩き方、身体の動かし方を身体で覚えているから中殿筋が使えなくても他の筋肉などを使うことで普通に歩けたという結果に。

中殿筋が麻痺したからすぐ歩き方が変わるか、というとそうでないということですね!

麻痺がずっと続くと今までの「普通」が「普通じゃなくなっていく」から知らず知らず歩き方も変わってしまう、ということみたいですね、

要するに悪い姿勢でいれば悪い姿勢が普通になってしまうということですね。

☆小殿筋

・股関節の関節包についているので股関節を求心性に保つ役割もあります。

*関節包:関節の周りを包む袋

*求心性:今回の場合は大腿骨を股関節のほうへ引っ張ること

・歩いている時や片足立ちのときなどに小殿筋の働きで股関節の安定性がとれるようです♪

ただ小殿筋は中殿筋に完全に覆われているので別々に触るのも難しく、中殿筋が作用しない動き方で動かそうと思えば動かせるようですが、別々に動かそうと思ってもなかなか難しいです。

まだまだ研究が進められている段階のようで小殿筋については文献や教科書によって様々書いてあります!

小さい筋肉や触れない筋肉だからこそ、実は必要な筋肉なのです。

なかなか鍛えにくい筋肉ですし、あまり目立たない筋肉でも身体にとってはとても大切な筋肉なのでケアもしっかりしていきたいですね♪