ふくらはぎの方から指の方まで行く長い筋肉で走行の仕方が特徴的で大学生の時にそんな筋肉あるのかとびっくりした記憶があります!

【基礎】

☆長趾屈筋

起始:脛骨後面

停止:第2~5末節骨底

走行:後脛骨筋の内側を下行し、腱は後脛骨筋の後ろで長母趾屈筋の内側を下る。内果の後下、載距突起のところで足根管を通り、足底に出る。長母趾屈筋腱の浅側を超え4腱に分かれる。停止腱は短趾屈筋の腱裂孔を貫く

神経:脛骨神経L5~S2

作用:足趾の屈曲、足の底屈

☆長母趾屈筋

起始:腓骨体後面(内側稜と後縁の間)、後下腿筋間中隔の下半(広い)

停止:母趾末節骨底

走行:長趾屈筋の外側を下降、腱は距骨の後ろ、載距突起の下方で(長母指趾屈筋溝)、足根管を通り、足底へ出る。長趾屈筋腱の深側をくぐり、短母趾屈筋の2腹の間を前方に進む

神経:脛骨神経L5~S2

作用:母趾の屈曲、足の底屈

【特徴】

下腿骨(ふくらはぎのところの骨のこと)骨折や足首の外、内くるぶしの骨折後は足の指の運動を早くから始めます

動かさないと血流などが滞ってしまい、コンパートメント内圧が上がり危険です

ふくらはぎや足首はもちろん折れているので動かせません

長趾屈筋や長母趾屈筋は後脛骨筋とともに深後側コンパートメントの1つなので指を動かしてあげることで筋肉が動き、そのポンプ作用でコンパートメント内圧の上昇を予防することができます

そのために指を動かすことが大切です

他にも足根管での腱の滑走を促し、拘縮や足根管症候群の予防になります

*コンパートメント:複数の筋肉でそのいくつかの筋ごとに骨、筋膜などで囲まれた区画に分かれていることをコンパートメントといい、骨折などが原因で筋肉の腫れなどが起きるとその区画内圧が上昇してしまうとその中にある筋肉、血管、神経などを圧迫してしまい、循環不全で壊死や神経麻痺を起こしてしまうことがあります

*足根管症候群:内くるぶしのかかと側の内側にある神経、血管の通り道を足根管といい、何らかの原因で神経が圧迫され、しびれてしまったりすること

長母趾屈筋は腓骨(膝下の外側の骨)の後ろから始まり、アキレス腱の下をくぐり、親指の方につきます

アキレス腱の下を通るのでアキレス腱断裂後の固定しているときに長母趾屈筋腱とアキレス腱が癒着してしまうことがあります

距骨の後ろにある後突起は内側結節と外側結節で構成され、その間の溝を長母指屈筋腱が通ります

足関節足背運動(足首を立てる運動)では距腿関節(距骨と下腿の関節のことで足首の中の方の関節)で距骨が後ろへ移動します

その運動を一次的に制動するのが長母趾屈筋腱で距骨の後方にいってしまうそうな不安定さを動的に制動してくれています

長母趾屈筋自体の拘縮や癒着(くっつく)に伴う滑走障害は足関節背屈制限の大きな要因となります

他動的に足首を曲げる運動をして足首の後露側に痛みがあり、明らかに三角骨(過剰骨といって余分に出てしまった骨のこと)障害がないときは距骨後方脂肪体とのインピンジメント(衝突)による痛みであることが多いです

↑バレリーナの方に多いです!

たまに過剰骨の存在に気が付いていない方もいれば、とても強い痛みを感じる人、靴などがぶつかって痛い人。

私は今まで働いてきて人によってかなり個人差のある疾患だと感じます。

できるだけ過剰骨ができないように日々ケアしていきたいですね!