膝の後ろにある筋肉でよく押すとツボを押されているように効く~!と感じる方が多い筋肉です

それだけでなく、膝の曲げ伸ばしで重要な筋肉と言われています!

【基礎】

起始:大腿骨外側上顆の外側面

走行:起始腱が膝関節腔と交通する膝窩筋下陥凹に包まれ、斜め内下方に向かい、ひろがって筋膜となる

停止:脛骨後面上内側部(ヒラメ筋線より上)(広い)

神経:脛骨神経L4~S1

作用:膝関節(下腿)の屈曲、脛骨の内旋

【特徴】

膝窩筋の始まりの一部は外側半月板についていて、筋腹には半膜様筋の線維が一部合流していて、筋腹の真上を膝窩動脈、静脈が縦走しています

*外側半月板:クッションの役割をしてくれています

外側半月板につくので膝関節を曲げると外側半月板を後ろへ引っ張り、大腿骨顆部と脛骨顆部で挟まれないようにしてくれます

他動的に膝を曲げるときに膝窩部に痛みがあるときは外側半月板を挟み込んでしまっていることが多く、膝窩筋を押すと痛みが出ることが多いです

*他動的:自動運動は自分で動かす、他動運動は人が動かすという感じ

*膝窩部:膝裏のこと

上手く膝窩筋が収縮しないと半月板が挟み込まれて痛みが出ますが、膝窩筋を収縮を誘導してあげると痛みがなくなることも多いです

knee-in、toe-outのアライメントを呈したスポーツ選手に生じる膝窩部の痛みは膝窩筋が変に伸びてしまっていることもあるのでアライメントを確認することが大切です

*アライメント:関節や骨の並びのこと

外側半月板部分切除や縫合などの手術のあとの膝関節可動域訓練では半月板の動きを出すことを考えて、膝窩筋を収縮させるリハビリが大切です!

膝関節を伸ばしていき完全に伸び切る前(屈曲30度くらい)から完全に伸ばすときに下腿が大腿に対して外旋していくことをスクリュームーブホームメントといいます。

スクリュームーブホームメントで膝が完全に伸び切ると膝がロックされた状態になります。

↑大腿骨先の形状的に下腿が外旋することで大腿骨先と下腿の上の形がぴったり合うのでスクリュームーブホームメントは起き、膝もピタッと形状が合いロックされます

膝窩筋は膝を曲げるためにロックされた膝のロックを外す作用があると言われています

なので下腿を内旋させる作用があるのです

膝を曲げる筋肉は上から下に筋肉が走行していますが、膝窩筋は斜めに走っています。

下腿を内旋させる作用にぴったりの走行ということですね!

↑ちなみに上のスクリューホームムーブメントの考えは座っている時の膝の動き方で立っている時は下腿の上を大腿骨が内旋するという考えです

膝窩筋腱は膝関節外側支持機構を構成する組織の1つで緩んでしまうとPLRI(posterolateral rotatory instability)になってしまいます

膝関節外側支持機構:他は外側側副靱帯、膝窩腓骨靱帯のことで主に膝の外側部分の安定性や外旋の安定性のために作用してくれています

*PLRI:後外側回旋不安定性のことで名前の通り後ろへの外力や外側、回旋に対して不安感がある(痛みや違和感)ことをいいます

膝窩筋は小さくても身体にとってとても大切な筋肉です

変形性膝関節症の方など膝に痛みや不安や変形がある方は特にケアが必要です(‘◇’)ゞ