【基礎】

☆長母指伸筋

起始:腓骨体前面、前下腿筋間中隔、脛骨上端の外側面、下腿骨間膜の下部(広い)

走行:前脛骨筋の外側に沿って下行、腱となり下伸筋支帯の深側で4分する。第2~5趾の趾背腱膜に移る

停止:第2~5趾の中節骨、末節骨

神経:深腓骨神経L4~S1

作用:第2~5趾の伸展、足の背屈、外返し

☆長母趾伸筋

起始:下腿骨間膜、腓骨体前面

走行:前脛骨筋と長趾伸筋に覆われる。内側に腱をもつ半羽状筋となり、下腿前面下部でその腱は前脛骨筋の腱と長趾伸筋の腱との間に現れ、腱鞘に包まれて、上・下伸筋支帯をくぐり、母趾の趾背腱膜に移る。

停止:母趾末節骨底

神経:深腓骨神経L4~S1

作用:母趾の伸展、足の背屈

☆第三腓骨筋

起始:前下腿筋間中隔の下部、腓骨の前縁

走行:長趾伸筋の下外側の分束。伸筋支帯の深側を通り、足背に出る

停止:第5中足骨底背側

神経:深腓骨神経

作用:足の外返し、背屈

【特徴】

長趾伸筋、長母趾伸筋の足の指への伸ばす作用は足関節が底屈位(つま先を伸ばす体勢)にあるほうが筋肉が伸ばされて効果的に作用を引き出すことが出来ます

腓骨神経麻痺では足関節の背屈(足首を90度にする)だけでなく、足の指の伸ばす力も一緒に落ちてしまいます。

前側慢性コンパートメント症候群では前脛骨筋の障害が主ですが、長趾伸筋や長母趾伸筋にまで影響が及ぶ場合もあります!

第4/5腰椎間の椎間板ヘルニアでは足趾の伸展、なかでも親指の伸展筋力が低下してしまうことが重要な症状の一つです!

長母趾伸筋は前側コンパートメントを構成する筋肉のなかで深層に位置していて触ることが出来ません。